プロファイル移行1[プロファイル概略]
今まで使用していたメール環境を、新しく調達したパソコンに移し替えたい場合、Thunderbirdのプロファイルを旧環境→新環境へコピーすることが可能です。
移すべきデータさえ間違えなければ、ファイルのコピペのみで移行が完了するので極めて楽ですが、
プロファイルの移行がわかりません( ̄^ ̄)
という質問が割とあるあるなのと、ヴィジュアル的にわかりやすい方法があまり見当たらないので、まずはプロファイルの概略+単純移行の方法について書いてみます。
プロファイル移行に先立ち、まずはThunderbirdのプロファイル構造、概略について書いておきます(実際の移行手順は次記事プロファイル移行2[バックアップと移行] - とりかごとなり。以降です…)。
「ホントにわかりやすいのか?」と訊かれると、とほほσ(^_^;)ですが、一応Mozilla Thunderbirdについての予備知識ゼロでもある程度わかる説明を目指します。
プロファイル概略。
まず作業する前に、プロファイルの簡単な解説から。
プロファイルの概略については、公式のThunderbird のプロファイル | Thunderbird ヘルプの記事なども参考に。
既に何度か書いていますが、プロファイルの既定の場所は、
- Windows(Vista/7/8/8.1)環境:
C:\Users\username\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\ (usernameはPCのアカウント名) - Mac OS X環境
~/Library/Thunderbird/Profiles/ (~はホームディレクトリ=/Users/username/)
Libraryはoptionキー押して表示させる
にあります。
模式図を以下に示しました。
Profilesフォルダの一階層上、Thunderbirdフォルダの中には、
- Crash Reportフォルダ
- Profilesフォルダ
- profiles.ini
が存在します*1。
普段使っている個々のプロファイルは、Profilesフォルダ内に、xxxxxxxx.defaultとかyyyyyyyy.newなどのフォルダとして存在します*2。
「Profilesフォルダ」と「プロファイルフォルダ」が紛らわしいのですが、Profilesフォルダは、実際に「Profiles」という名前で存在しています。
その下に、個々のプロファイルが並ぶ状態です。(xxxxxxxxやyyyyyyyyはランダム英数字、プロファイル名(ドット以下)は任意に変更が可能)
Thunderbirdフォルダ=家と見立てた場合、
- Profilesフォルダ=箪笥
- 個々のプロファイル(xxxxxxx.defaultとかyyyyyyyy.new)=箪笥に並ぶ段ボール箱
のような関係です。
プロファイルフォルダ以外の要素について。
Thunderbirdフォルダ直下のprofiles.iniは、Thunderbirdから認識可能なプロファイル名やその場所について記載されています。
普段Thunderbirdを起動するときには、このprofiles.iniに書かれているデータを読み込んで、どのプロファイルを起動するかを選択しています。
プロファイルマネージャを起動した場合は、profiles.iniに書かれているプロファイル名が表示され、起動したいプロファイルを選択、あるいは新規に作成することでThunderbirdを起動します。
profiles.iniはプロファイルの単体移行に必須のファイルではありませんが、上位の階層(Thunderbirdフォルダ)ごと丸々新環境へ移行する場合は、プロファイルとともに確実にバックアップする必要があります。
「Crash Reports」フォルダ内には、その名の通りクラッシュレポートを作成・送信した時のログが残ります。Thunderbirdが起動できない場合でも、このフォルダを開けばクラッシュレポートを読むことが可能です。
Mozilla クラッシュレポータ TB | Thunderbird ヘルプ
プロファイルの中身。
これらのうち、プロファイルの移行に必須の(=省略不可能な)ファイルは、Profilesフォルダ以下、特に個々のプロファイルxxxxxxx.defaultとかyyyyyyyy.new)です。
現実世界のお引越し同様、お引越しには家具と段ボールが必要なわけです。
個々のプロファイルフォルダ(xxxxxxx.defaultとかyyyyyyyy.new)の中に、実際にメールを取り扱う上で必須の設定ファイルやメールデータが格納されています(図の青丸・緑丸)。
それぞれの概略について(☆付きはフォルダ)
- ☆Calendar-data
カレンダー(Lightning)のデータが入る - ☆Extensions
拡張機能のもろもろが入っている - ☆Mail
POPアカウントのメールデータ本体と、ニュースフィード(RSS)の設定ファイル(feeditems.rdf)・受信データ本体が入っている - ☆ImapMail
IMAPアカウントのメールデータ本体(受信メールをダウンロードする設定の時)が入っている*3 - prefs.js
アカウント設定やユーザ設定などまとめた設定ファイル - abook.mab
アドレス帳データ(個人用アドレス帳) - history.mab
アドレス帳データ(記録用アドレス帳) - training.dat
迷惑メール学習データ - key3.db・logins.json ・cert8.db
パスワードのデータ
などが存在します。
このほか、アドオンやユーザ自身が追加したデータ(chromeフォルダなど)が含まれることがあります。
詳しい説明はTransferring data to a new profile - Thunderbird - MozillaZine Knowledge Baseなど。
ここまでで長くなったので、実際の移行手順については、記事を改めて書きます。
*1:本来ディレクトリとすべきかもしれませんが、ディレクトリ≒フォルダとして、基本的には「フォルダ」の表記で統一しています
*2:プロファイルの場所を既定から変更している場合はこの限りではありません。ただし、プロファイルを他の場所に指定した場合でも、Thunderbirdフォルダ以下の構造(profiles.iniやCrash Reports、Profilesフォルダ)は存在します。
*3:メールをダウンロードしない設定の時は、インデックスファイル(.msfファイル)のみが存在する