プロファイル移行2[バックアップと移行]
実際にプロファイルを移行する場合の手順を書いています。
なるべくprofiles.iniの編集をせずに済む、基本マウス操作+αのみで完結するようにしています*1。
記事が長い&画像がとっても多めです…
前提条件として、
- 旧パソコンでも正常に動作しているプロファイルであること
- 既定の場所にプロファイルがあること
を想定した解説です。
移行前に「古いパソコンでThunderbirdが何かおかしな動作している」といった場合、今までのプロファイルを丸々持ち込むと、新しい環境でも不具合を再現することになります。
この時は、旧環境のバックアップを確保したうえで、必要最小限のファイルのみを移行する方が安パイです。
書きました→プロファイル復旧1:壊れた環境からのミニマム移行 - とりかごとなり。とかプロファイル復旧2:Mailデータを一括コピー/プロファイル内ファイルの優先順位 - とりかごとなり。
プロファイルが外付けディスクなど既定の場所以外にある場合で、新環境でも既定以外の場所に置きたい! の場合は、profiles.iniの編集やプロファイルマネージャでの設定変更が必要となります。
まずはバックアップから。
まずは旧環境のプロファイルを確実にバックアップします。
これがない/不完全だと、いくらその後の手順が正しくても正常に移行できません。
プロファイルが存在する既定の場所は、
プロファイル移行1[プロファイル概略] - とりかごとなり。やプロファイルのバックアップはどこを保存? - とりかごとなり。など参照して頂ければと思いますが、
- Windows(Vista/7/8/8.1)環境:
C:\Users\username\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\ (usernameはPCのアカウント名) - Mac OS X環境:
~/Library/Thunderbird/Profiles/ (~はホームディレクトリ=/Users/username/)
にあります。 既定のままでThunderbirdを使っていた場合、基本的にはこのProfilesフォルダ内のプロファイルを移行することになりますが、詳細はその1以下で書いています。
既にプロファイルを幾つか作成後で、「どれがメインの環境かわからない」という場合は、使用中のプロファイルフォルダを開きたい。 - とりかごとなり。にある方法をメインの環境にて実行し、普段使いのプロファイルを特定しておくのがよいと思います。
特に、プロファイルの場所を既定の場所から変えて運用している*2場合は、確実にプロファイルの場所を特定したうえでバックアップする必要があります。
バックアップは、必ずThunderbirdを終了した状態で行います。Thunderbird起動中に行ってしまうと、バックアップが不完全になる恐れがあります。
データをバックアップする媒体は特に制限はありません(たぶんないはず…)。USBメモリや外付けのハードディスクなど、自分の利用環境に応じて選択します。
以下は、「具体的にどこをバックアップすれば何が出来るのか」の観点で移行方法を書いておきます。
その1:単体バックアップ
ピンポイントで「このプロファイルだけ移行したい」の場合は、
- C:\Users\username\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\xxxxxxxx.default
- ~/Library/Thunderbird/Profiles/xxxxxxxx.default
で用足ります。(下図のxxxxxxxx.defaultのみバックアップした状態)
この場合は、
- 新しい環境(パソコン)に、まずThunderbirdをインストールする
極力旧環境と新環境とでThunderbirdのバージョンを揃えておくのが望ましいです。
既にインストール済環境であるor旧環境と同一端末であれば省略可です。 - 新環境にてThunderbirdを一度起動する
Thunderbird起動時に、新しいプロファイル:aaaaaaaa.defaultが作られます(aaaaaaaaはランダム英数字)。
これで、新環境で使える(profiles.iniに記述されている)プロファイルフォルダを用意できます。 - aaaaaaaa.defaultのプロファイルフォルダを予め開いておき、何もせずThunderbirdを終了させる
プロファイルフォルダの開き方は使用中のプロファイルフォルダを開きたい。 - とりかごとなり。参照。 - 新環境のaaaaaaaa.defaultの中身を全て削除する(aaaaaaaa.defaultのフォルダのみにする)
中身はすべて旧環境から持ち込むので、新環境で作成されたaaaaaaaa.default内のファイルは全て削除します。 - 旧環境のxxxxxxxx.defaultの中身を全てコピー→新環境のaaaaaaaa.defaultフォルダ内へペースト
とするのが一番簡単です。
xxxxxxxx.defaultフォルダのコピーではなく、フォルダ内のファイルをコピーするのがポイントです。
下図で言うところの、青丸・緑丸に相当する部分のみをコピペします*3。
新環境のprofiles.iniはaaaaaaaa.defaultを指定しているので、次回Thunderbirdを起動した時は、旧環境(から持ち込み)の諸ファイルを読み込んだ状態でaaaaaaaa.defaultが起動します。
プロファイルの移行について、実際のスクリーンショットで解説します。
1.バックアップ側の準備
旧環境のxxxxxxxx.defaultフォルダ内に、「calendar-data」「Mail」「abook.mab」などいろいろ表示されていますので、これら全てをコピーします。
2.新環境の用意
新環境で一度Thunderbirdを起動させると、新しくプロファイル(aaaaaaaa.default)が作られます。
このaaaaaaaa.defaultの中身を全て削除しておきます。
3.旧環境→新環境への移行
1.でコピーしたxxxxxxxx.default内のファイルを、aaaaaaaa.defaultフォルダの中へ全て移します。
コピー後のaaaaaaaa.defaultの中身
(実際にはキャッシュも一緒にコピーされているようで、CacheやCache2といったフォルダもありました)
新環境にて再度Thunderbirdを起動すると、aaaaaaaa.defaultのプロファイル(中身はxxxxxxxx.defaultからの持ち込み)で起動するはずです。
上手くいかない場合、ありがちなのが、
- xxxxxxxx.defaultの中身ではなく、フォルダ丸ごとをProfilesフォルダ内にコピぺした
新環境のprofiles.iniに書かれているのは、新たに作成したaaaaaaaa.defaultです。
旧環境のxxxxxxxx.defaultは書かれていないので認識されません。 - xxxxxxxx.defaultのフォルダ丸ごとをaaaaaaaa.defaultの中にコピペした
必要なファイルはaaaaaaaa.defaultフォルダ直下に置く必要があります。 - aaaaaaaa.defaultの中ではなく、Profilesフォルダの中にコピペした
aaaaaaaa.default内に必要なファイルが存在しないため、正しく認識しません。
などですので、もう一度手順をおさらいすることを勧めます。
その2:複数のプロファイルをバックアップ
プロファイルを複数まとめてバックアップしたいときは、
- C:\Users\username\AppData\Roaming\Thunderbird\Profiles\
- ~/Library/Thunderbird/Profiles/
とすると、Profilesフォルダ以下複数のプロファイルをバックアップできます。
プロファイルの移行にあたっては、その1を参考に移行したいプロファイルを個別に移行するか、profiles.iniに旧環境のプロファイルを追記/書き換えするなどの方法があります。
(profiles.iniの編集は注意が必要です:Profiles.ini file - MozillaZine Knowledge Baseとかprofiles.iniには何が書かれているか。 - とりかごとなり。参照:2016/3/4追記)
profiles.iniも一緒にバックアップしてあれば、新環境のThunderbirdフォルダ以下にprofiles.iniをコピー(上書き)することで旧環境のプロファイルも認識できるようになります。
その3:使用環境丸ごとバックアップ
profiles.iniの書き換えめんどくさい、profiles.ini込みで一括バックアップ&移行したい場合は、Thunderbirdフォルダ丸ごと
- C:\Users\username\AppData\Roaming\Thunderbird
- ~/Library/Thunderbird/
が楽でしょう。
これの利点は、プロファイル移行時には
旧環境のThunderbirdフォルダ(既定場所参照)以下を丸々コピー→新環境のThunderbirdフォルダ以下へペースト
とするだけで、以前の環境を丸々復元できる点です。profiles.iniとの整合性を気にする必要もないため、当方のようなσ(^_^;)ものぐさ人間にはお勧めです。
(2016/4/5追記)新環境のThunderbirdフォルダ以下は、予めファイルを全て削除しておき、まっさらの状態にしてから旧環境のファイルを移すのがよいです。
(2018/9/3追記)異なるOS間(Win→Linuxなど)では、 profiles.iniの内容が異なるため、この方法での移行はお勧めできません。