とりかごとなり。

Mozilla Thunderbirdに関する個人的な備忘録とか設定とか。メールのトラブル時・異常時の対処や考え方が基本路線です。

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profiles.iniには何が書かれているか。

(2016/12/14追記:Linuxでの記載を追加しました)

プロファイル移行の記事内で、「なるべくprofiles.iniの編集をせずに済むように」と書きましたが*1、肝心の「profiles.iniに何が書かれているか」を書いておきます。

「こう書き換えるとよろし」というインスタントな方法はググると割とあるのですが、profiles.iniそのものについて日本語での全体的な説明はあまり見当たらない&パスの書き方がWindows前提のものが多い(Mac OS Xなど他のOS環境についての記載が稀)ので、備忘録兼ねて書いておきます。

英語での包括的な記事
Profiles.ini file - MozillaZine Knowledge Base
と、実機確認での内容を踏まえています。

 

profiles.iniの場所

Thunderbirdの既定のプロファイルフォルダが存在する場所は

の直下にあります。
プロファイルフォルダとの位置関係は下図のようになっており、Crash ReportsフォルダやProfilesフォルダと同階層にあります。

f:id:meeyar:20160304012316j:plain

 

profiles.iniの場所はこの既定場所で固定です。
プロファイルを任意の場所(外付けドライブなど)に変更・指定する場合であっても、profiles.iniはこの場所に置いておく必要があります。
迂闊に動かしたり削除すると、Thunderbirdが「profiles.iniないな」と判断し、新しくprofiles.iniを作成してしまいます(後述)。その結果「何か普段の環境が出てこないんだけど」という事態を引き起こす恐れがあります*2
編集する場合は念のためバックアップを取っておくのがお勧めです。

profiles.iniの概略と基本構成

profiles.iniはテキストファイルです。Windowsのメモ帳をはじめ、任意のテキストエディタで開いて中身の閲覧や編集が可能です(保存はUTF-8で行います)。
この中には、

  • Thunderbirdから認識可能なプロファイルの名前とその場所
  • 最後に起動したプロファイル
  • どのプロファイルを常時使うか

といった情報が書かれています。
profiles.iniに異常があるとプロファイルの正常な起動が出来ません。Thunderbirdのアカウント設定やメールデータ本体、そのほか各設定項目はプロファイルの中に含まれているため、profiles.iniの存在は重要です。

profiles.iniの具体的な中身は以下のようになっています。
冒頭に記される[General]以下と、その後に続く[ProfileN](Nは数字)以下の記述で構成されています。

[General]
StartWithLastProfile=0

[Profile0]
Name=default
IsRelative=1
Path=Profiles/xxxxxxxx.default

Thunderbirdを初めて起動した直後は、自動で作成されるプロファイル(xxxxxxxx.default)が一つあるのみです。
順に解説します。

各要素の内容

profiles.iniの冒頭、

[General]
StartWithLastProfile=0

は、「最後に起動したプロファイル」を示しています。
プロファイルはその後に書かれる[ProfilleN]の、数字Nが反映されています。上記の例では「StartWithLastProfile=0」なので、[Profile0]を最後に起動したことになります。

その下、プロファイルについては

[Profile0]
Name=default
IsRelative=1
Path=Profiles/xxxxxxxx.default

1行目から、

  • [Profile0]
    プロファイルの順番を示しています。0(ゼロ)から始まり、追加作成するごとに[Profile1][Profile2]…と数が増えていきます。StartWithLastProfile=の値に反映されます。
  • Name=default
    プロファイルの名前が書かれます。ここの名前は、プロファイルフォルダのドット以下(この例ではdefault)です。
  • IsRelative=1
    パスの表記方法が指定されています。IsRelative=1なら相対パスIsRelative=0なら絶対パスです。
    既定の場所にプロファイルを置いた場合は相対パス(IsRelative=1)で書かれます。上記例でも「Path=Profiles/xxxxxxxx.default」とあります。
    既定以外の場所にプロファイルを置く場合は絶対パス(IsRelative=0)で書く必要があります。
    Windowsですとドライブ名(C:とかD:とか)から、Mac OS Xではホームディレクトリのフルパス(/Users/username/)から書く必要があります*3
    Windows環境では、半角円記号(\)の区切りを用います。
    具体的な書き方はプロファイルの場所を別の場所に指定した場合に書いています。
  • (2016/12/14追記)Linuxの場合:Ubuntuでは、プロファイルはユーザのホームフォルダ(/home/username/)直下の.thunderbirdフォルダ以下にprofiles.iniが置かれます。
    IsRelative=1(相対パス)の場合は、場所の指定が要らず、単に
    [Profile0]
    Name=default
    IsRelative=1
    Path=xxxxxxxx.default
    と、プロファイル名だけで用足ります。
    IsRelative=0(絶対パス)の場合は、/home/username/から書き始めます。
    これまたプロファイルの場所を別の場所に指定した場合に書いてます。

プロファイルを追加作成した場合

プロファイルを追加した場合は、既に存在するプロファイルの下に[Profile1][Profile2]…と追加されていきます。
新規プロファイルを一つ追加した例です。

[General]
StartWithLastProfile=1

[Profile0]
Name=default
IsRelative=1
Path=Profiles/xxxxxxxx.default

[Profile1]
Name=New
IsRelative=1
Path=Profiles/yyyyyyyy.New
Default=1 

この例では、「StartWithLastProfile=1」なので、最後に起動したプロファイルは[Profile1]=yyyyyyyy.Newです。
そして、プロファイルマネージャの画面にて「今後このプロファイルを使用する」にチェック入れて起動すると、該当するプロファイルに「Default=1」の1行が追加されます。
上記では[Profile1]にDefault=1があるので、次回起動時には自動的にyyyyyyyy.Newを読み込んで起動します。

f:id:meeyar:20160304001708p:plain

プロファイルの場所を別の場所に指定した場合

既定の場所以外にプロファイルを作成/移動する場合、Pathは絶対パスで書く必要があります。
IsRelativeの項目を、IsRelative=0とします。
例を示します。
Cドライブのデスクトップ(Desktop)上、profileという名前のフォルダを指定した場合です。桃文字絶対パスで書かれた部分です。

[Profile2]
Name=Default User
IsRelative=0
Path=C:\Users\username\Desktop\profile\

Mac OS X環境で、同じようにデスクトップ上にprofileという名前のフォルダを指定した場合は、

[Profile2]
Name=Default User
IsRelative=0
Path=/Users/username/Desktop/profile

(2016/12/14追記)Linux(Ubuntu)の場合は

[Profile2]
Name=Default User
IsRelative=0
Path=/home/username/Desktop/profile

となります*4*5
ただ、全くの新規でプロファイルを作成する場合は、profiles.iniを直接編集するよりも、プロファイルマネージャから場所を指定したほうが楽です*6

profiles.iniが削除された、他の場所へ移動したなどの場合

profiles.iniが他所へ移動・削除など、何らかの理由で既定の場所からなくなってしまった場合、Thunderbirdは自動的に新しくプロファイルを作成し、profiles.iniも新規作成します。
ここで作成されたprofiles.iniには、やはり新しくできたプロファイル(例:zzzzzzzz.default)の情報しか書かれていません。
今まで使用していたプロファイルについては、その中身が特に何の問題もない健全なデータであっても、profiles.iniには書かれていないためThunderbirdから認識されません。

f:id:meeyar:20160304005559j:plain


この場合、profiles.iniのバックアップがなければ、今までのプロファイルをきちんと認識できるようprofiles.iniを手動にて修正する必要があります。

*1:単純にめんどくさい、間違いやすい、あと「上手く起動しないどうして(>_<,)」のケースが多いため

*2:以前うっかりに削除して「うわぁぁぁ」になったことがあるので

*3:~による省略がされません

*4:本来バックスラッシュのはずなんだけどスラッシュで書かれてたスラッシュでの記載でよいらしい

*5:Ubuntuにおけるディレクトリのパスは、英数字と全角文字とでは別ものとなるので、片仮名「デスクトップ」の場合は注意

*6:プロファイルマネージャの「新規プロファイルを作成」→「プロファイル作成ウィザード」にてプロファイルの名前を決めるとき、「フォルダを選択」を選んで任意の場所(フォルダ)を選択する