とりかごとなり。

Mozilla Thunderbirdに関する個人的な備忘録とか設定とか。メールのトラブル時・異常時の対処や考え方が基本路線です。

基本操作はThunderbird全般、何か困った! の時はトラブルシューティング全般をどうぞ。
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スレッドペイン・メッセージペインにメールが表示されない・異常な場合のフローチャート

Thunderbirdでメールが正常に表示されない・確認できない」シリーズ第2弾です。
この記事は、「メールのアカウント設定は残っているが、メールの一覧(スレッドペイン)あるいはメールの本文(メッセージペイン)が見られない」ケースの実践フローチャート&対処方法です。

「アカウント設定もろともすべて消えた(Thunderbirdが初期画面である)」場合

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の確認項目と対処方法は、第1弾である
プロファイル異常時の確認&復旧手順:包括版 - とりかごとなり。
をご覧ください。

記事がとっても長い&画像多めです。

正常に表示されないのはどこの領域か

以下のどちらになっているかを確認します。

  1. アカウント設定は残っているけれども、スレッドペインの一覧にメールが表示されない

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  2. アカウント設定は残っており、スレッドペインにもメール件名等の一覧は表示されるが、肝心のメール本文が表示出来ない

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最優先事項:プロファイルのバックアップを取る

以前のプロファイル異常時の確認&復旧手順:包括版 - とりかごとなり。にも書いたことですが、まずはプロファイルのバックアップを取ります。元々のプロファイル=使用環境を確保しておけば、その後の作業でミスっても、最悪作業「前」の状態には戻せるため、必要以上に恐れる必要がなくなります。
バックアップ対象は、

OSの差によらず、Thunderbirdフォルダを丸ごと保存しておくことをお勧めします。
特に、複数のプロファイルを使い分けしている場合は、バックアップ対象を選別するよりもまとめて保存の方がローリスクと思います。
また、上記は初期状態におけるプロファイルの場所であるため、プロファイルの場所を手動で指定・移動している場合は、その保存先のプロファイルを保存します。「プロファイルの場所は初期のままだが、メールデータのみ別の場所に保存している」の場合は、その「別の場所に保存している」データバックアップします。

確認フローチャート

メールが表示されない場合の、あるある原因としては、

  • アドオンが悪さしている
  • メールのインデックス(一覧)とメール本体との整合性が取れていない
  • メールのデータ自体がダメージを負っている
  • メールデータそのものが存在しない(削除されている)

等といったものが挙げられます。
これらの鑑別フローチャートを以下に示します。
ちょっと細かいですが、実際に行う確認と作業は、緑四角で書かれている内容がメインです。

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セーフモードで起動

 比較的稀に思いますが、Thunderbirdにインストールしている拡張機能(アドオン)が原因でメールの操作・表示に異常を来している可能性を考え、まずはセーフモードでの挙動を確認します。
これを最初にやるのは、「上記フローチャートの中で最も簡便だから」という理由です。セーフモードの方法は
トラブルシューティング:確認2[アドオン依存かどうか]:セーフモードの方法 - とりかごとなり。
を参照してください。
これで改善されれば、アドオンのどれかが原因と推測されます。

フォルダの修復/.msfファイルの削除

主に、「アカウント設定は残っており、スレッドペインにもメール件名等の一覧は表示されるが、肝心のメール本文が表示出来ない」の場合の対処法です。
Thunderbirdのメールデータは、メール本体(拡張子無し)とメールのインデックス(.msfファイル)がペアで存在しています。それぞれのファイルは、(プロファイル内のファイル名 - インデックス名 - Thunderbirdのフォルダペイン上の名称 )

  • Inbox - Inbox.msf - 受信トレイ
  • Drafts - Drafts.msf - 下書き 
  • Sent - Sent.msf - 送信済みトレイ 
  • Trash - Trash.msf - ごみ箱
  • Archives - Archives.msf - アーカイブ

に対応しています。

ユーザが手動で作成したフォルダは、フォルダ名(拡張子無し)とフォルダ名.msf(インデックス)に対応しています。

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通常は、拡張子無しのメール本体と.msfファイルのインデックスとが協調・適切に対応しているのですが、この2つの整合性が崩れたり、.msfファイルにダメージを負ったりすると正常な表示が出来なくなります。
この時に「フォルダーを修復」や.msfファイルの削除を行うと改善が期待できます。

「フォルダーを修復」は、フォルダペインの修復したいトレイ/フォルダ上にて右クリック等コンテキストメニューを開き、「プロパティ」を開きます。

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「フォルダーを修復」を選択します。

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.msfファイルについては、予めThunderbirdのプロファイルフォルダを開いておき、  Mailフォルダ(IMAPの場合はImapMailフォルダ)内にある、該当するトレイ/フォルダの.msfファイルのみを削除します。拡張子無しファイルはそのままにしておきます。
次回Thunderbird起動時に、再度メール本体より.msfファイルが作成されます。
これらで改善されれば、.msfファイルの不具合(破損、不整合)が原因と考えられます。

プロファイルフォルダ内のメール本体の状態を確認する

上記の方法でも改善されない、またはスレッドペイン・メッセージペイン双方とも表示が出来ない場合は、メールデータがきちんと存在しているかどうか、プロファイルフォルダ内を直接確認します。

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メール本体(拡張子無し)が、メールの使用相応のファイルサイズを保っている場合は、ファイルのアクセス権を確認します。ファイルの読み書きが制限されている場合は適切に修正します。
アクセス権に特に問題がない場合は、メールデータそのものが破損している可能性が疑われます。
この場合はケースバイケースの対応とならざるを得ず、勿論自力で修正可能な場合はそのようにしてよいと思いますが、他にバックアップがない限り、復旧は厳しいと思われます。

一方、ここでもしメール本体(拡張子無し)が存在しないか、下記画像のように0kbだったりすると、メールデータ自体が存在しないor削除されてしまっていることになります。

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ふぇっっΣo(°o°; )o
となる瞬間ですが、念のためメニューのツール>アカウント設定より、メールデータの保存場所を確認してみてください。

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もしメールの保存先を初期状態から変更していた場合は、その保存先のプロファイルフォルダを直接確認します。

これでもやはりメール本体が存在しない、あるいはファイルサイズが0kbである場合は、いよいよメールそのものが削除されてしまったものと考えられます。
この場合は、残念ながら別途バックアップがない限り、復旧は不可能です。